爪の変色や、爪の肥厚

爪は健康のバロメーターと言われるように様々な影響を受けます。
変色したり、爪が厚くなったり様々な変化がみられます。

当院での症例をご紹介します。

 

症例1 爪のメラノーマ(悪性黒色腫)??

主訴 爪の色の異常
30代女性の患者様。
左足第4趾爪が新しく生えた部位に黒色の色素斑を自覚しメラノーマ(悪性黒色腫)を心配され来院されました。ネイルをしていたのでいつから症状があったかは不明です。

左足第4趾爪甲基部に黒色の色素斑があり、濃淡はほぼ均一ですが、形状は不整です。肉眼でもハッチンソン徴候が陽性のようにも見えます。色素斑をダーモスコピーでみると黒色よりかやや茶色がかった色素斑でした。爪部全体の診察が必要なため、ネイルを剥がしてもらい後日再度診察するとネイルの部分には色素斑はなく、ダーモスコピーからも血腫の可能性を考え経過観察としました。(ハッチンソン徴候:爪外の皮膚にまで黒色病変が及んでいること)

その後、定期的に診察しましたが、3ヶ月後には爪が新生した部分には色素斑はなく無事に生え変わりました。

自覚症状はありませんでしたが、気が付かないうちに爪をぶつけてしまい、爪下血腫になっていたものと考えられました。

 

症例2 爪水虫??

主訴 爪の肥厚、変色
数年前からの左足第2趾爪の肥厚と変色を主訴に来院されました。

第2趾爪だけが変色し、何年もこの状態でずっと悩まれていたそうです。

診察すると爪は浮いている状態でした。爪根脱臼を考え浮いている爪をニッパー除去しました(浮いていますので切除するときにほとんど痛みはありません)。切除すると下にはすでに新しい爪が生えてきていました。患者様にはテーピングと保湿の指導を行い、地道に爪が生えてくるのを待ちましょうとお話しました。念のため水虫の検査もしましたが陰性でした。

定期的に診察を行い、3ヶ月後にはきれいな爪がしっかりと生えて来ています。患者様もとても喜ばれていました。

 

患者様は第2趾が他の足趾よりも長いため、歩行時の外的刺激を強く受けやすかったと推測できます。外的刺激を受けた爪は厚く肥厚しやすくなります。

浮いている爪(爪根脱臼)は爪の新生を邪魔してしまいます。また感染のリスクもあるので適宜切除することが必要です。爪は髪の毛と同じケラチンという成分でできています。保湿クリームで油分を補い、テーピングをすることで爪が生えやすい環境をしっかりと整えてあげることが大切です。

魚住総合クリニック 皮膚科

 

 

 

 

PAGE TOP