熱中症は室内でも起こる|症状・対処法・予防と受診の目安(門前仲町の内科)

明るい室内で高齢女性が暑そうに困っている様子と、『熱中症は室内でも起こる』という見出し、要点として『救急搬送の最多は「住居」』『症状はⅠ〜Ⅳ度の4段階』『予防はエアコンと水分補給』、『気になる症状は、お気軽にご相談ください』

※画像はAIを用いたイメージです。

「少し休めば治る」と、夏の体のだるさやめまいを我慢していませんか。その不調が熱中症のサインであることもあります。熱中症は炎天下だけでなく、室内でも起こります。門前仲町の魚住総合クリニック内科が、熱中症の症状(重症度の見分け方)から応急処置・予防、受診・救急の目安までを解説します。

この記事のポイント

  • 熱中症は屋外だけでなく室内でも起こります(令和7年の救急搬送は発生場所で「住居」が最多の38.1%)
  • 症状は重症度でⅠ〜Ⅳ度に分けられ(2024年に4段階へ)、Ⅱ度は受診・Ⅲ度以上はためらわず救急要請が目安とされます
  • 疑ったら涼しい場所へ移って体を冷やす。飲めない・改善しない・重症が疑われるときは119番
  • 予防はのどが渇く前の水分・塩分と、エアコンの活用。高齢の方・お子さんには周囲の声かけを
  • 暑さ指数(WBGT)や熱中症警戒アラートも、その日の過ごし方の目安になります

熱中症は「屋外だけの病気」ではありません

熱中症は決してめずらしいものではありません。総務省消防庁のまとめによると、令和7年(2025年)5月~9月に熱中症で救急搬送された人は全国で累計100,510人にのぼり、調査を開始した平成20年(2008年)以降で最も多く、初めて10万人を超えました(前年の令和6年より2,932人増)。しかも発生場所別にみると、最も多かったのは「住居」で38,292人(38.1%)。次いで道路(19.7%)、屋外の公衆の場所(12.1%)、仕事場(10.5%)と続きます。熱中症は炎天下だけでなく、室内でも起こる——まずここを知っておくことが大切です。

熱中症が起こる3つの要因

熱中症は、次の3つが重なったときに起こりやすくなると言われています。

  • 環境——気温や湿度が高い、日差しが強い、風が弱い、締め切った室内など
  • からだ——高齢の方や乳幼児、体調がすぐれないとき、持病のある方など
  • 行動——激しい運動、長時間の屋外作業、水分補給が足りていないときなど

熱中症の症状 ― 重症度の見分け方と受診・救急の目安

熱中症の症状は、治療の必要性の観点から、日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」で大きく4段階(Ⅰ〜Ⅳ度)に分けて考えられています(2024年に、従来の3段階へ最重症の「Ⅳ度」が加わりました)。ご自身やご家族の状態がどの段階かを知ることが、適切な対処の第一歩です。

重症度 主な症状(目安) 対応の目安
Ⅰ度(軽い段階) 立ちくらみ・めまい、こむら返り(筋肉のつり)、手足のしびれ、大量の発汗など 涼しい場所で休み、水分と塩分(電解質)を補給。改善しなければ受診を検討します
Ⅱ度(中等度) 頭痛・吐き気や嘔吐、体のだるさ(倦怠感)、力が入らないなど 涼しい所での休息と水分・電解質の補給が基本。自分で水が飲めない・よくならないときは早めに受診を
Ⅲ度(重い段階) 意識がはっきりしない、けいれん、肝臓・腎臓などの障害が起こりうる段階とされます 医療機関での積極的な冷却を含む治療が必要とされます。ためらわず救急要請(119番)を
Ⅳ度(最重症・2024年新設) 体温が非常に高く(深部体温40℃以上)、強い意識障害(呼びかけにほとんど反応しない)を伴う、最も危険な段階とされます 命に関わるため、直ちに救急要請を。搬送を待つ間も体を冷やし始めます

この重症度分類は、日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」で、従来の3段階(Ⅰ〜Ⅲ度)に最重症の「Ⅳ度」が加わり4段階になったものです。表の「深部体温」は体の中心の温度で、脇の下ではかる体温とは異なります。

なお、救急搬送された人の「搬送時の程度」(軽症・中等症・重症という別の分け方)でみると、令和7年は軽症が63,447人(63.1%)と最も多い一方、入院が必要な中等症・重症も合わせて約36%(中等症34.2%・重症2.2%)を占めていました。「軽く見えても油断できない」ことがうかがえます。

こんなときは早めに、こんなときはすぐ救急へ

  • 涼しい場所で休んでも症状が改善しないとき——早めに医療機関へ
  • 自分で水分・塩分をとれないとき(吐き気が強い、飲んでも吐いてしまう等)——早めに医療機関へ
  • 頭痛・吐き気・強いだるさが続くとき——早めに医療機関へ
すぐに救急要請(119番)を呼びかけへの反応がおかしい・意識がはっきりしない・けいれんがあるとき(Ⅲ度・Ⅳ度が疑われます)は、ためらわず救急要請してください。

熱中症を疑ったときの対処法(応急処置)

熱中症かなと思ったら、その場でできる対処の基本は次の通りとされています。

  • 涼しい場所へ移動する(日陰・冷房の効いた室内など)
  • 衣服をゆるめて体を冷やす(首やわきの下など、太い血管が通る場所を冷やす方法もあります)
  • 水分・塩分を補給する(自分で飲める場合)
こんなときはただちに救急要請を自分で水分・塩分をとれないとき、症状が改善しないとき、意識障害など重症(Ⅲ度・Ⅳ度)が疑われるときは、応急処置にとどめず、ただちに医療機関へ搬送する(救急要請する)ことが大切です。

熱中症の予防法 ― 今日からできること

特別なことよりも、日々の小さな心がけの積み重ねが大切です。

  • のどが渇く前に、こまめに水分・塩分を補給する
  • エアコンや扇風機を上手に使い、室温を上げすぎない
  • 暑さに徐々に体を慣らし、無理をしない
  • 室内でも温度・湿度を確認する習慣をつける
  • 体調がすぐれない日は特に慎重に過ごす

なお、運動については、日本スポーツ協会の指針で暑さ指数31以上のときは「運動は原則中止」とされています。

高齢の方・お子さんには、まわりの声かけを

令和7年の搬送データを年齢別にみると、高齢者(満65歳以上)が57,433人(57.1%)と過半数を占めていました。高齢の方は暑さやのどの渇きを感じにくくなることがあり、ご本人が気づかないうちに熱中症が進んでしまう場合があります。お子さんも同様に、自分から不調を伝えにくいことがあります。

ご家族や周囲の方が「水分はとれている?」「部屋は暑くない?」と声をかけることが、大きな予防につながります。持病のある方は、体調の変化に一層の注意が必要とされています。健診で気になる数値を指摘された方は、あわせて健診で血圧を指摘された方向けの記事尿酸値・痛風についての記事もご参考ください。

「この程度で受診してよいのかな」と迷う夏の体調不良も、どうぞ我慢せずにご相談ください。門前仲町駅 徒歩4分、内科でお受けしています。

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お電話でのご相談:魚住総合クリニック 内科 050-1784-5222

暑さ指数(WBGT)と熱中症警戒アラートとは

その日の熱中症の危険度を知る手がかりとして、暑さ指数(WBGT)という指標があります。これは気温だけでなく、湿度・日射(輻射)・気温の3つを組み込んだもので、熱中症予防を目的に1954年に提案されました。単位は気温と同じ摂氏度(℃)ですが、気温そのものとは異なります。

算出式では、湿度の影響を強く受ける「湿球温度」にかかる係数が最も大きく設定されており、湿度が高いほど汗が蒸発しにくく、熱中症のリスクが高まると考えられています。「気温はそれほどでもないのに蒸し暑い日」ほど注意が必要、というわけです。

日本生気象学会の「日常生活に関する指針」では、暑さ指数を次のように区分しています。

暑さ指数(WBGT) 区分 過ごし方の目安
31以上 危険 外出はなるべく避け、涼しい室内へ
28以上31未満 厳重警戒 外出時は炎天下を避ける
25以上28未満 警戒 運動や激しい作業では定期的に十分な休息を
25未満 注意 熱中症の兆候に注意する

また、暑さ指数の予測値が高いときには「熱中症警戒アラート」などの情報が発表されます。府県予報区内のいずれかの地点で翌日または当日の暑さ指数が33以上になると予測される場合に「熱中症警戒アラート」が、都道府県内のすべての地点で翌日の暑さ指数が35以上になると予測される場合に「熱中症特別警戒アラート」が発表されます。こうした情報も、その日の過ごし方を考える目安になります。

よくある質問

熱中症の初期症状は?
立ちくらみ・めまい、こむら返り(筋肉のつり)、手足のしびれ、大量の発汗などが、Ⅰ度(軽い段階)のサインとされています。この段階で涼しい場所に移り、水分・塩分をとって休むことが大切です。
熱中症で病院に行く・救急車を呼ぶ目安は?
頭痛・吐き気・強いだるさが続く、自分で水分をとれないといった場合は医療機関の受診が必要とされます。呼びかけへの反応がおかしい・けいれん・意識がはっきりしないときは、ためらわず119番へ。
室内にいても熱中症になりますか?
なります。令和7年(5~9月)の救急搬送を発生場所別にみると、「住居」が最も多く38.1%を占めていました。エアコンを使わずに過ごしていると、室内でも熱中症が起こることがあります。
熱中症の重症度はどう分けられますか?
日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」では、Ⅰ度(軽い段階)からⅣ度(最重症)までの4段階に分けられています。2024年に、従来の3段階へ最も重いⅣ度が加わりました。Ⅱ度なら早めの受診、Ⅲ度・Ⅳ度が疑われるときはためらわず救急要請が目安とされます。
熱中症の応急処置はどうすればいい?
①涼しい場所へ移動する ②衣服をゆるめて体を冷やす ③飲めるなら水分・塩分をとる、が基本とされます。改善しないとき・自分で水分をとれないとき・重症が疑われるときは、ただちに救急要請してください。
高齢の家族や子どもは、特に何に気をつければいい?
高齢の方は暑さやのどの渇きを感じにくいことがあり、令和7年の搬送者の約57%が65歳以上でした。まわりの方の「水分はとれている?」「部屋は暑くない?」という声かけが予防に役立ちます。

夏の体調不良は、我慢せず早めにご相談ください。門前仲町駅 徒歩4分、内科で対応しています(症状が重い・意識がおかしいなど緊急のときは、受診をお待ちにならず119番へ)。

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お電話でのご相談:魚住総合クリニック 内科 050-1784-5222

魚住総合クリニック 内科
東京都江東区永代/東京メトロ東西線・都営大江戸線「門前仲町駅」徒歩4分
【参考】

  • 総務省消防庁「令和7年(5月~9月)の熱中症による救急搬送状況」(確定値) https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/items/r7/heatstroke_nenpou_r7.pdf
  • 日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2024」 https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf
  • 環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)について」「熱中症の予防方法と対処方法」「熱中症警戒アラート・特別警戒アラートについて」 https://www.wbgt.env.go.jp/
  • 環境省「熱中症環境保健マニュアル」 https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_manual_ov.php

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個々の診断・治療は診察のうえで行います。症状には個人差があります(公開時点の情報です)。