重症花粉症の注射治療「ゾレア」とは?効果・適応・治療の流れを医師が解説

重症の花粉症に対する注射治療「ゾレア」について

〜花粉症の新しい治療選択肢〜

春になると、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみなどの症状に悩まされる方は多いと思います。
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、日本人の多くが悩むアレルギー疾患です。

一般的には

・抗ヒスタミン薬
・点鼻薬
・点眼薬

などで治療しますが、

それでも症状が強く、日常生活に支障が出てしまう重症の花粉症の方に対しては
ゾレア(オマリズマブ)という注射治療が選択肢になることがあります。


花粉症はなぜ起こるの?

花粉症の症状には、IgE(アイジーイー)という抗体が関係しています。

① 花粉が体内に入る
② 花粉に対する抗体(IgE)が作られる
③ IgEがアレルギー反応に関わる細胞(マスト細胞)に結合
④ ヒスタミンなどの炎症物質が放出
⑤ 鼻水・くしゃみ・鼻づまりなどの症状が起こる


ゾレアの作用

ゾレアは

IgEに直接結合する抗体薬です。

IgEがアレルギー細胞に結合するのを防ぐことで、

アレルギー反応そのものを抑える働きがあります。

そのため、

従来の内服薬などで効果が不十分な重症花粉症に対して
症状の改善が期待できます。

重要:ゾレアはすぐに治療開始できるわけではありません

ゾレアの適応になる患者さんは?

▶季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)の方

ゾレア治療を行うためには?

▶事前の採血が必ず必要です。

採血では

・総IgE値・スギ花粉に対するアレルギー値

を確認します。

そして

検査結果によって

・治療の適応になるか
・投与量
・投与間隔

が決まります。

つまり

採血をしないとゾレアでの治療が可能かどうかが分かりません。

また、検査結果によっては
ゾレアの適応外となる場合もあります。


ゾレアの投与方法

ゾレアは皮下注射で投与する薬です。

体重とIgE値に応じて

・2週間ごと
または
・4週間ごと

に注射を行います。

・費用について

3割負担の方では窓口ではこれに0.3をかけた費用になります。薬剤費は300mgペン型でだいたい12000円です。別途診察費用や処方箋料がかかります。

※IgEの量、体重により、投与量が異なります。


主な副作用

多くは注射部位の反応です。

・赤み
・かゆみ
・腫れ
・痛み
・熱感

などがみられることがあります。


重要:ゾレアは根本治療ではありません

ここはとても大事なポイントです。

ゾレアは

花粉症の症状を抑える「対症療法」です。

つまり、

花粉症そのものを治す治療ではありません。

治療をやめると
症状が再び出る可能性があります。


花粉症の根本治療「アレルゲン免疫療法」

花粉症には

体質を変えていく根本治療として
「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」があります。

代表的なものが

スギ花粉の舌下免疫療法です。

これは

少量のアレルゲンを継続的に体に慣らしていくことで

アレルギー反応を起こしにくい体質に変えていく治療です。

治療期間は3〜5年と長くなりますが、

花粉症を根本的に改善できる可能性がある治療です。当院内科で治療が可能です。

詳しくはこちら▶減感作療法について


当院では両方の治療に対応しています

当院では

・重症花粉症に対するゾレア治療(内科・皮膚科)
・スギ花粉の舌下免疫療法(内科)

の両方に対応しています。

患者さんの

・症状の強さ
・生活スタイル
・治療の希望

に合わせて治療をご提案しています。

花粉症の症状でお困りの方は、
お気軽にご相談ください。

花粉症の治療・検査は内科もしくは皮膚科で承ります。

是非一度ご相談ください。

参照 ノバルティスファーマ 季節性アレルギー性鼻炎治療薬ゾレアについて

魚住総合クリニック

皮膚科専門医/医学博士 魚住 知美
呼吸器内科専門医 今泉 知里

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