なかなか治らない顔の赤み、接触皮膚炎かも?

顔の赤くなる原因としてアトピー性皮膚炎、酒さ(しゅさ)、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)などが考えられます。

しかし難治性の場合は接触皮膚炎(せっしょくひふえん)が隠れているかもしれません。

 

例えば、難治のアトピー性皮膚炎で、顔にステロイド軟膏を外用をして酒さ様皮膚炎で治療中の患者さんが実はメイク落としや、化粧品に含まれる成分のパッチテスト(アレルギーテストの1つ)が陽性だった症例もあります。ステロイド外用を中止し、アレルギー物質を使用していない化粧品に変更したところ湿疹は徐々に改善しました。

このように顔に見られる難治性の紅斑の場合には、使用している、外用薬、サンスクリーン剤、化粧品、メガネにアレルギーを起こしている可能性があります。

他にも髪の毛の生え際の場合にはシャンプー、育毛剤、毛染め、口唇の場合はリップクリームや口紅、歯磨き粉、金属などに対して接触皮膚炎を起こしているのかもしれません。

化粧品の接触皮膚炎の頻度

パッチテストで確定されたアレルギー性接触皮膚炎の原因製品全国調査(2016 年 4 月から 2017年 3 月)では化粧品・薬用化粧品が 54%を占めていました。*松永佳世子:SSCI-N でつなぐ皮膚の安全,皮膚病診療,2017; 39: 696―705.

最多の化粧品の原因製品種別件数では、染毛剤、シャンプー、化粧下地、化粧水などが多い製品でした。

接触皮膚炎を起こしやすい成分

界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムなど)、防腐剤、香料、色素による接触皮膚炎が多いため、肌が敏感な方は無香料・無着色の製品を選ぶといいでしょう。

例えば市販されている口紅のうち、タール色素などを使用していない成分の比較的少ないものが販売されています。

NOV(常盤薬品)、アクセーヌ、コンテス、ファンケルなど。口唇が荒れてしまう方はアレルギーを引きこそす成分の少ない口紅を試してみるのもいいかもしれません。

 

当院で扱っているドクターズコスメのCellnewプラスシリーズ(常盤薬品)では皮膚科学に基づいたスキンケアブランドのため、無香料、無着色の製品が多くあります。

 

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なかなか顔の湿疹や赤みが治らない方はまずは化粧品を見直してみましょう。

一度当院皮膚科でご相談下さい。

参考資料日本皮膚科学会接触皮膚炎診療ガイドライン 2020
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/130_523contact_dermatitis2020.pdf

魚住総合クリニック 皮膚科