イボの正体は「ウイルス感染」です
イボ(ウイルス性疣贅)は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)というウイルスが皮膚や粘膜に感染することで生じます。
HPVには150種類以上の型(遺伝子型)があり、型の違いによってできる場所や見た目が異なることが分かっています。
一般的な手足のイボを起こすHPVは良性型で、がんの原因となる型とは異なります。
イボはどうしてできるの?
HPVは、健康な皮膚には基本的に感染できません。
しかし、
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小さな傷
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ひっかき傷
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皮膚がふやけた状態(浸軟)
などがあると、そこからウイルスが侵入します。
皮膚の一番深い層にある基底細胞に感染すると、細胞分裂が活発になり、周囲の細胞を押しのけながら増殖します。
この感染した細胞のかたまりが、私たちが目にする「イボ」です。
👉 外傷を受けることの多い手足や外陰部に、あるいはアトピー性皮膚炎の子供たちなどの特に引っ掻くことの多い肘・膝窩にイボができ易いのはこのためです。
イボにはどんな種類があるの?
● 尋常性疣贅(最も多い)


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子どもの手足に多い
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表面がザラザラ、硬い
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足の裏(足底疣贅)や指状疣贅もこの仲間
● 扁平疣贅
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顔や腕にできやすい
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小さく平らで、色は肌色〜薄茶色
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若い方に多い
● 尖圭コンジローマ
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外陰部や肛門周囲にできる
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性感染症として扱われます
● ボーエン様丘疹症
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見た目はコンジローマに似る
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一部にがん関連型HPVが関与することがあります
※ それぞれ原因となるHPVの型が異なります。
感染経路について
主に人から人への直接接触感染ですが、
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銭湯・温泉・プール
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ジムなどの公共施設
での間接的接触感染も報告されています。
また、
魚や肉を扱う職業の方では、手がふやけやすく、手のイボができやすいことも知られています。
ダーモスコピー検査とは?
当院では、必要に応じて**ダーモスコピー(拡大鏡)**を使って診察します。
ダーモスコピーでは
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点状出血
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黒色・赤色の小点
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皮膚のしわ(皮紋)が途切れる
など、イボ特有の所見を確認できます。
👉 タコ・ウオノメとの鑑別
👉 治療後にイボが残っていないかの確認
にも非常に有用です。
イボの治療について(尋常性疣贅診療ガイドライン2019より)
現在の重要なポイント
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HPVに特効薬はありません
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治療法は1つではなく、状態に合わせて選択・併用します
ガイドラインで「強く推奨」されている治療(推奨度A)
✔ 液体窒素凍結療法(保険適応)
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イボをしっかり凍結することで治療
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部位・年齢・病型に応じて強さを調整します

✔ サリチル酸外用(保険適応)
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角質を柔らかくし、イボを徐々に小さくする治療
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継続が大切です
👉 推奨度Aは、この2つのみ
(科学的に有効性が強く示されている治療法です)
「イボはすぐ治る」と思っていませんか?
イボ(ウイルス性疣贅)は、
1回の治療で完全に治ることは少ない病気です。
これは治療が間違っているわけでも、重症という意味でもありません。
イボの原因であるヒト乳頭腫ウイルス(HPV)は、皮膚の**深い層(基底層)**に存在しているため、少しずつ治療を積み重ねる必要があるからです。
なぜ時間がかかるの?
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ウイルスは皮膚の奥に潜んでいる
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表面だけ治療しても、奥に残ったウイルスが再び増えることがある
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痛みや傷を最小限にするため、治療は段階的に行う
このため、
👉 数週間〜数か月
👉 場合によっては半年以上
定期的な通院が必要になることも珍しくありません。
定期的な受診が大切な理由
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イボが小さくなっているか
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残っている部分がないか
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治療の強さが適切か
を毎回確認しながら調整していきます。
途中で受診をやめてしまうと、
✔ 一時的に良くなったように見えて
✔ 実は治りきっておらず
✔ 数か月後に再発・増加
ということもあります。
「なかなか治らない=悪い病気」ではありません
イボは
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体の免疫
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年齢
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できている場所
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大きさ・数
によって治るスピードに個人差があります。
焦らず、根気よく治療を続けることが一番の近道です。
当院からのお願い
イボの治療は
**「一緒に治していく治療」**です。
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決められた間隔での受診
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ご自宅でのケアの継続
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痛みや不安があれば遠慮なく相談
を大切にしています。
「なかなか治らないから…」と諦めず、
一緒にしっかり治していきましょう。
まとめ
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イボはHPVによるウイルス感染症
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小さな傷から感染し、自然に治ることもありますが放置で増えることも
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種類や部位によって治療方針は異なります
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早めに皮膚科での診断・治療がおすすめです
気になるできものがあれば、お気軽にご相談ください。
💬 魚住総合クリニック 皮膚科
皮膚科専門医/医学博士
魚住 知美