特に明らかな原因がないにも関わらず手のひらに日常生活に支障をきたすほどたくさんの汗が出てしまう状態を
原発性手掌多汗症と言います。
- 手が汗ばんで紙が濡れてしまう
- 手が汗ばんで手をつなぐのをためらってしまう
- 手が汗ばんで携帯が操作しにくい
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重症例ではしたたり落ちる程の多汗がみられる。手足は絶えず湿っていて冷たく、紫色調を帯びることがある。
汗で長時間湿潤した皮膚は汗疹を生じやすく、表皮が浸軟して剝脱する.さらに真菌や細菌,そしてウイルスの感染を起こしやすいため,足白癬や尋常性疣贅を認めることがある。(原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版より抜粋)
汗が出る仕組み
体温が上がったという情報を脳が受け、その情報を神経に伝えます。そして、神経から汗を出す刺激となる物質が汗をかく器官であるエクリン汗腺に伝えられ、エクリン汗腺から汗が出てきます。エクリン汗腺という汗を分泌する器官は手のひらをはじめ、全身に広く分布しています。エクリン汗腺から出てくる汗の99%は水分で、ミネラルやアミノ酸、乳酸、アンモニアなどが溶け込んでいます。エクリン汗腺からは、体温調節やストレスなどの精神的な刺激で汗が出てきます。アポクリン汗腺という、わきの下などの限られた部位に汗を分泌する器官があります。
原発性手掌多汗症の治療法
2023年6月から保険適応になったアポハイド®ローションがあります。
アポハイド®ローション20%は、オキシブチニン塩酸塩を有効成分とする久光製薬株式会社が開発した原発性手掌多汗症治療剤です。
このお薬は皮膚から吸収されて、手のひらの汗を抑えるお薬です。
1日1回就寝前に使用してください。
ーお薬を塗ったあとの注意ー
起床後に手を洗うまでの間は、以下のようなことに注意してください。
- 目や口をさわらないでください。
(さわった場合は、水でゆすぐなどして洗い流してください。異常を感じる場合は医師または薬剤師に相談してください。) - 顔や髪の毛などの体に触れないでください。
- 歯磨き、シャワー、コンタクトレンズの扱いなどは避けてください。
- 必要以上に他の人や物に触れないでください。
参考文献
日本皮膚科学会HP 多汗症と無汗症 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/index.html
日本皮膚科学会 原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/takansho2023.pdf
久光製薬 アポハイドローション 患者さん向けサイト https://www.hisamitsu.co.jp/tenoase/
その症状、手掌多汗症かもしれません。
脇汗に適応のある外用薬もあります。脇汗についてはこちら
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