アレルギー検査

医療機関で出来るアレルギー検査があります。

Viewアレルギー39は39種類の主要なアレルゲンに対する特異的IgEの測定を、一度の検査で行える多項目同時測定のアレルギー検査です。


Thermo Fisher Scientific ホームページより引用

 

血液検査で調べる事が出来ます。

39種類(吸入系・その他のアレルギー、食物系アレルゲン)を1度に調べることが出来ます。
ただし、原因特定は検査結果を参考にして医師が判断を行います。

費用は、保険適応で約6000円ほどです。

アレルギーは多岐にわたります。どういった時にどんな症状が出たのかを記録しておくことが原因アレルギーの特定に役立ちます。

時間が経過してから症状が出ることもあります。些細なことでもメモをしておきましょう。

・どの時期に症状がでますか?
→1月~4月(春)、5~8月(梅雨~夏)、9月~12月(秋~冬)
それとも通年でしょうか?春であればハンノキ、スギ、ヒノキ、シラカンバが飛散する時期です。

・特定の場所、特定の状況で症状が出ますか?
→リビング、寝室、浴室、ペットを飼っている。
羽毛布団を使用している時や室内やエアコンを掃除している時であればハウスダストがアレルゲンの可能性があります。

・何を食べた時に症状が出ますか?
→ピザ、ホットケーキ、ちらしずし、五目チャーハン、カレー
これらは2種類以上の食材が含まれており、原因を特定するには一種類ずつ専門の病院でプリックテスト(アレルギー検査の1つ)をする必要があります。

Viewアレルギー39検査の注意点

①39種類の検査を同時に行うことができますが、全ての項目を網羅しているわけではありません。

たとえばクルミやカシューナッツなどはView39には含まれていません。

つまりくるみやカシューナッツを食べてアレルギー症状が出た可能性のある方はViewアレルギー39検査を受けても、調べることができません。

また、小麦の項目が陰性だからといって小麦アレルギーではないとは言い切れません。小麦アレルギーが疑われる方は、「グルテン」「ω5-グリアジン(オメガファイブグリアジン)」も調べる必要があります。小麦のアレルゲンは非グルテンのアルブミン・グロブリン等の水溶性蛋白質とグルテンと呼ばれているグリアジン・グルテニン等の不溶性蛋白質の2つに大別されます。「ω5-グリアジン」はアレルゲンコンポーネント特異的IgEと呼ばれ、特異的IgEの小麦、グルテンと、アレルゲンコンポーネント特異IgEのω5-グリアジンを組み合わせることで、より正確なアレルギー診断に役立つと期待されています。「小麦」だけではなく、「グルテン」「ω5-グリアジン」を調べる必要があります。これはView39には含まれていません。

②View39を行うと、普段摂取していても、様々な食品で陽性になることがあります。

もしくは患者さんが乳児だった場合、まだ摂取させていない項目が陽性になることがあります。この採血結果のみを根拠とした不適切な除去を行うことで、栄養失調になる可能性も否定できません。

アレルギー専門医指導のもとで少量から摂取することが推奨されます。原則は「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」です。

乳児に対してアレルギー予防のために、離乳食開始時期や食物アレルギーの原因食物となりやすい食物(鶏卵など)の摂取開始を遅らせることは推奨されません*。食物アレルギーの有症率は、乳児期が最も高く加齢とともに漸減します。食物アレルギー診療の手引き2020にもView39などは原因不明の食物アレルギー検査の検索などスクリーニング検査と位置付けられ、診断や臨床経過の評価に用いることは推奨できないとされています。

*食物アレルギー診療ガイドライン2021https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001331/4/food_allergies.pd

これらの注意点を踏まえ、採血によるアレルギーの検査をご希望の方は当院内科か皮膚科を受診下さい。

 

魚住総合クリニック